心地よいサービス

お客さんは、他にはおらず、私ひとり。注文して、だいぶたちました。だいじょうぶかなあ、と思って厨房をのぞくと、少年のようなコックさんがひとり中華鍋を握っていました。
そうこうするうちに、料理ができたようです。ただ、ホールの人に任せず、そのコックさんが運んで来ました。
私は若い頃、都内のフランス料理店で働いていたことがあり、何となくお皿の出し方とか、観察してしまう癖がまだぬけません。
「料理は美味しかった、って言えばいいけど、サービスには、何て言って褒めたらいいのか、言葉がないよなあ」と常々思っていました。
その「少年」は、私の脇に立ち、綺麗に皿を供したあと、キチンと据え直してくれました。
そういうサービスに久しぶりに接して、嬉しくなってしまいました。あの、独特の間、ただの「少年」じゃないなあ。
そんなことを考えていたら、彼は店の人に、「店長」と呼ばれていました。
食べ終えて、タイミングを見計らって、席を立ちました。
レジの前に立つ店長に、「美味しかったです」と言うと、
これがまた、満面の笑みが返ってきました。こういう笑顔、人生の「花」だなあ、と思った瞬間でした。